『やり抜く力GRIT(グリット)』を読んだのでメモ。「才能より努力」「天才より努力家」を証明した最新の研究!

人材開発

GRIT(やり抜く力)という興味のあった研究分野で第一人者であるアンジェラ・ダックワースさんが書いた本が発売されたので年始に読みました。分かりやすく、覚えて起きたい内容が多く、仕事にも活かしたい点がたくさんあり、満足です。

GRITとは

GRITとは、やり抜く力であり、その要素は「情熱」と「粘り強さ」である。

GRITについての最新の研究成果がまとめられたのが『やり抜く力GRIT(グリット)』という本です。

著者はアンジェラ・ダックワースさん。美人の若手研究者で注目されています。

「才能より努力」「天才より努力家」という世の中の大部分の人が希望をもてるであろう話を証明した、注目の研究内容でもあります。

もともとこのやり抜く力(GRIT)には興味があり、2015年5月に、IQ(知性)よりGrit(やり抜く力)がある方が成功に近づくという話で書いてましたが、そこからより研究が進んでいるはずなので今回の本も楽しみに読みました。

(2016年11月発売でしたが、2か月くらい読めてなかったんですけども、、、笑)

学んだこと、感じたこと

以下、いろんな学びがありましたが、その中でもメモしたことを残しておきます。

才能より努力が大事といいつつも、人は同じ能力なら努力家より天才(才能)を選んでしまう

確かに。しかし、科学的にそうじゃないよと証明されたわけです。そういう今までの常識をぶっ壊す系の発見って個人的にはワクワク度が高いです。

努力によって始めて才能はスキルになり、さらに努力によってスキルが活かされ達成を生み出す

これは面白い理論でした。と同時に、納得感もありました。

才能があっても努力しなければスキルとして身につかないし、スキルが身についても、それを活かす努力をしなければ達成や成果は生まれないということですね。

最近、7つの習慣が身につき、良い戦略を立てても、実行できなければ意味がない!ということで開発された4DXというノウハウの本を読みました(また読書メモをまとめようと思っています)。

この実行というキーワードにも、やり抜く力が関係しているなーと思ったことを今思い出しました。つまり、やり抜く力は他のノウハウにも関わる、根本的な、重要な能力なんだろうなと。 

「情熱」は熱心に取り組む度合いではなく、同じ目標にどれだけ継続的に取り組んでいるか

やり抜く力の要素の一つ「情熱」ですが、日本語訳のこの言葉から感じる率直なイメージは、熱心に取り組むことでしたが、、、そうじゃないよということですね。

動機を持続させ、継続的に努力できるかということです。

そのためには以下の4つが重要だとも書いてありました(「情熱」だけでなく、もう一つの要素「粘り強さ」も強くする4ステップという話ですが)。

やり抜く力を強くする4つの問い

やり抜く力を強化する4つのポイントを問いという形でまとめてみました。ふとしたときに、やり抜く力を高め続けていれてるか?と自分に問うてみようと思います。

  1. 興味:自分の仕事が大好きか
  2. 練習:日々の努力=意図的な練習(deliberate practice)ができているか
  3. 目的:自分の仕事は重要だという確信があるか
  4. 希望:グロースマインドセット(成長思考)は持てているか

本のこの部分の説明を何度か読みましたが、僕の中ではまだ明確には整理しきれていません(笑)。

しかし、まだ研究途中なんだろうなという感触も受けたので、引き続きフォローして情報を追いかけていこうと思っています。

ただ、興味と目的は「情熱」に関わりが大きく、練習と希望は「粘り強さ」に関係していると思います。

また、「粘り強さ」はポジティブ心理学で言うと逆境力(レジリエンス)と非常に近いと感じました。そもそもアンジェラ・ダックワースさんの師匠がポジティブ心理学の祖であるマーティン・セリグマン教授なので当たり前なんでしょうけども。

参考:レジリエンス | 164マーケティング

意図的な練習の4つの基本要件

上記の「意図的な練習」というやり抜く力を強化する4つのポイントのひとつですが、以下4つの基本要件があるようです。

  1. 明確に定義されたストレッチ目標
  2. 完全な集中と努力
  3. すみやかで有益なフィードバック
  4. たゆまぬ反省と改良

この話を聞いて、イチローが浮かびました。他のアスリートとかもそうなんでしょうけど、世界的な成果を出す人はスポーツでもビジネスでも意図的な練習をできているんだろうなと。

自分も仕事の中で意識していきたいと思いました。

あと、ちょっとフロー理論の要素にも似てるなとも感じました。本の中でもやり抜く力が強い人(≒意図的な練習を実践している人)は、フロー体験も多いという研究結果もでているそうです。

やってみたいこと

『やり抜く力GRIT(グリット)』を読んで、何を日常の行動変容につなげようかと考えました。

やってみたいのは、グリット・スケールで社員を計測することです。

グリット・スケール

  まったく当てはまらない あまり当てはまらない いくらか当てはまる かなり当てはまる 非常に当てはまる
1.新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてします。
5
4
3
2
1
2.私は挫折をしてもめげない。簡単にはあきらめない。
1
2
3
4
5
3.目標を設定しても、すぐべつの目標に乗り換えることが多い。
5
4
3
2
1
4.私は努力家だ。
1
2
3
4
5
5.達成まで何ヶ月もかかることに、ずっと集中して取り組むことがなかなかできない。
5
4
3
2
1
6.いちど始めたことは、必ずやり遂げる。
1
2
3
4
5
7.興味の対象が毎年のように変わる。
5
4
3
2
1
8.私は勤勉だ。絶対にあきらめない。
1
2
3
4
5
9.アイデアやプロジェクトに夢中になっても、すぐに興味を失ってしまったことがある。
5
4
3
2
1
10.重要な課題を克服するために、挫折を乗り越えた経験がある。
1
2
3
4
5
  • 当てはまる箇所の数字にマルをつける
  • あまり考え込まずに、同僚や友人や家族とくらべてどうか、または、たいていの人とくらべてどうか、と考えて回答する
  • 合計して10で割った数字がグリッド・スコア
  • 「情熱」が奇数、「粘り強さ」が偶数

 アメリカ人の成人のグリット・スコアと比較してみると、3.0だと20%以下、3.8だと50%以下、4.1だと70%以下、4.5だと90%以下、4.7だと95%以下くらいなんだそうです。

このグリッド・スケールで測ったスコアを、社員のタレントマネジメントの際の一つの情報として蓄積しておくと良さそうだなと思ったり、また、新卒・中途採用などにも使えそうなので、いろいろ検討していきたいと思います。

まずは自部門でテスト的に測ってみよう。

ビジネスパーソンはもちろん、そうでない人にも、かなり学びの多い本だと思いました。オススメです。

では、また!

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