『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』という本が売れてるようです。会社の役員に薦められて読んでみましたが、読んで良かったです。
自分の、または自分が所属する組織の未来に向けて、考えるべきことが増えたというか、考える方向性のヒントを得たというか、学びが多かった本でした(自分が今まで知らなかっただけかもしれませんが)。
ビジネスパーソンもそうじゃなくても、読んでおいて損はない本かと思います。
INDEX
未来の年表
『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』は、2017年6月4日に発売された、産経新聞社論説委員の河合 雅司さんの著書です。
日本の人口減少の問題に踏み込み、多くの人が知らない(もしくは実感できていない)、「静かなる有事」の事実が書かれています。
2017年から2065年の未来までの年代ごとにどのようなことが起こるかが、データとともに示されていて、まさに年表を見るように読んでいけます。
最後に著者なりの対策案(10の処方箋)がおまけ程度(と僕は感じました)に書いてありますが、紙面のほとんどは、危機感と気づきを醸成する内容で、「何か自分にできることはないか」と考えるキッカケになりました。
学んだこと・感じたことのメモ
年表の中で、気になった年代の情報をメモしておきます。
今の自分の年齢を当てはめて考えてみると、自分事になって気づきが多いと思うのでぜひやってみてください。
仮に今22歳の社会人1年目として書いてみます。
2018年(22歳)18歳人口が大きく減り始める。やがて国立大学も倒産の懸念
- すでに40%超の私立大学が定員割れ
- 18歳人口は2009年以降は120万人で踊り場
- 2015年の入学定員数は59万人、18歳人口 は120万人、進学率は5割強、つまり、選ばなければ誰でも大学生になれる
EdTechが発達し、いろんな学び方も増えてきている時代ですから、大学の質や特徴が問われる時代になりましたね。
2021年(25歳)団塊ジュニア世代が50代に突入し、介護離職が増え始める
- 団塊ジュニア世代が50代になり始める
- 2016年4月時点で介護難民は12万強、2040年には47万人になる予想
- 介護スタッフは2025年に253万人必要なところ、215万人しか確保できなさそう
- 介護休業への理解が進んでいないのも原因
介護はまだ全く考えられていない話だったので、個人的には危機感レベルがかなり高まりました。また、自社グループでの介護支援事業への貢献を、もっと考えて動いていきたいと思うようになりました。
2027年(31歳)輸血用血液が不足し、手術や治療への影響が懸念されるようになる
- 輸血用血液の約85%は50歳以上に使用
- 献血は約76%が50歳未満 ・事故や緊急時の手術に使う輸血は3.5%、80%はがんや心臓病などの治療に使用
- 病院に行っても助からない、もっと言うと、病院にもたどり着けない
献血しよう、と思います。
2040年(44歳)全国の自治体の半数近くが「消滅」の危機に晒される
- 2017年4月に秋田県の人口は100万人以下
- 少子化なのに人口が増えていたのは、平均寿命が延びて少子化を覆い隠していただけ
- 2040年時点で人口が1万人を切る523自治体はなくなる可能性が高い
僕も地方出身なので、怖いなーと思いました。今までは全く考えていなかったですが、将来は地元に帰って活性化させることも視野に入れたいと少し思いました。
2050年(54歳)世界人口が97億3千万人となり、日本も世界的な食糧争奪戦に巻き込まれる
- 日本の農業就業人口者は平均66.4歳
- 2050年に必要な食糧生産量は2000年の1.55倍、これまでどおり輸入できるか?
- バーチャルウォーターという考え方だと、水も800億㎥輸入している
バーチャルウォーターの考え方は初めて知ったので学びだったのと、ニュースなどを見て、ちょっとだけ感じてた将来の食料危機が具体的な数字で示されていたので、危機感が更に高まりました。
2065年(69歳)居住地域の約20%が誰も住まない土地になり、外国人が無人の国土を占拠する
- 日本列島を1㎢に区切り、人が住む18万地点のうち、63%で人口が半分以下になる
- 長崎県の対馬は韓国抜きには成り立たない(経済的、土地の所有など)
- 武力侵略されることなく、合法的に日本国内に外国の領土ができる
これは、どうするかの方針を決めないといけない問題だなー。
まとめ
それぞれの年代の未来予測を知って感じたことはそれぞれありますが、一番強く思ったのは、この時代を自分自身も現役として生きていくんだなということです。
僕は22歳よりはだいぶ年上ですが、人生100年時代ですから、生きてる可能性の方が高いと考えると、自分事として当事者意識をもち、これらの問題に向き合っていかないといけないと思いました。
著者の河合さんが考えた10の処方箋を読み直し、自分が今の仕事やこれからの人生で、上記の日本の問題や課題の改善にどう貢献できるかを考えていきたいと思います。
では、また!