久しぶりに君主論を読んでみました。立場や仕事経験が変わって読むとまた以前とは違った気づきがありますね。名著というものは、時代によらないということを改めて感じました。
INDEX
君主論とは
『君主論』(くんしゅろん、Principe)は、ニッコロ・マキャヴェッリによる政治学の著作である。 歴史上の様々な君主および君主国を分析し、君主とはどうあるものか、君主として権力を獲得し、また保持し続けるにはどのような力量が必要かなどを論じている。
抽象的に君主はどう在るべきかを説かず、ギリシア・ローマ時代からの歴史上の実例を数多く挙げながら、その成功・失敗理由を述べ、具体的な提言をするという、いわば実用書として作成された。
マキャヴェッリがフィレンツェ共和国で失脚し、隠遁生活中の1513年 – 1514年に完成したと考えられている。
君主を経営者として捉えて、現在のビジネス現場においても参考にされている本です。
一言で要約すると、「すべての国にとって重要な土台となるのは、よい法律とよい武力とである」という思想らしいですね。
よって、やや厳しめの内容が多いですが、上手く捉えて現代に応用することもできると感じました。
キッカケはFeBe
最近流行りの勉強法はオーディオブックのFeBe(フィービー)で書きましたが、オーディオブック配信サービス「FeBe」で買って聴いた『戦略の教室』というオーディオブックで紹介されていて、ふと、久しぶりに君主論を読んでみようと思いました。
「古代から現代まで2時間で学ぶ 戦略の教室—生き抜くための勝利の全法則」(著者:鈴木博毅)のオーディオブック情報 – FeBe(フィービー)とは言っても、もちろん原著ではなく、2008年に購入していた『君主論』を簡単にまとめてくれている本なんですが、いくつか覚えておこうと思ったことをメモしておきます。
君主論 ビジネスで役立つ人心掌握の智恵150 (East Press Business)
君主論いくつか
情けの使い方に注意する
残酷だと言われても、その残酷さによって改革を行い、国を立派に治めるなら、残酷と言われるのを嫌って必要な処置をせずに傷口を広げるより、結果的に情け深いことになる。
稲盛和夫さんの名言「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり」と似てますね。
怖れを引き起こす
愛するかどうかは人の勝手だから、いくら君主でもどうすることもできない。だが、怖れは君主が自分の力で引き起こすことができる。ただ、憎まれないよう努めることだけは忘れてはいけない。
コントロールできないところにフォーカスするのではなく、コントロールできるところに注力するということなんでしょうかね。最後の「ただ、……」というところをいかにうまくやれるかが君主の力量のような気がします。
結果こそがすべてと知る
多くの者は君主の姿を仰ぎ見るだけで、実際に接触できる者はごくわずかである。つまり、ほとんどの民衆は君主の見かけを知るだけで、本当の君主を知る者は少数に過ぎない。
なるほど。そうですよね。
協力者の動機を考える
新たな国を得るにあたって、内部から協力してくれた者がいた場合、君主は彼らの動機をよく考えてみるべきだ。前の政権への不満のためで、自然な愛情ではないならば、彼らは新しい君主にも不満を持つ。
これはかなりなるほどなー!と思いました。M&Aや部署異動の際などに覚えておきたいことですね。
中立の道を選ぶとたいてい失敗する
中途半端は良くない、と。
努力する者には報いる
君主のことを自分より優先する側近を置く
選ばれた者だけを情報源として信用する
この3つは人材マネジメントについてですね。組織のトップは幹部や部下の採用・配置などに参考にできるかもしれないです。
叩くときは、徹底的に叩きのめす
人間はだいじに扱うか、叩きのめすか、どちらかにすべきである。人を痛めつけるときは、必ず復習の恐れを断っておくべきである。
厳しい。けど、本質なのかもしれないですね。企業に置き換えると、やっちゃだめなことは二度と繰り返さないように厳しく指導しないといけませんしね。
変革に抵抗はつきものと知る
多くの人間は、自ら経験して確かめない限り、新しいものを心から信じることは決してない。その結果、変化を阻止しようとする者は折あらば激しく攻撃を仕かけてくるし、好意的な者も積極的には味方してくれない。
本質だぁ。
理想にこだわりすぎない。現実を見る
理想の生き方を現実は大きく違う。だから、理想にこだわりすぎて現実を見ようとしないと、君主の座を守るどころか自滅しかねない。
ここまではふむふむと。まぁ、普通の気づきでした。しかし、続きが深かった。
多くの人が道徳的でない状況にあっては、つねに道徳的にふるまおうと努めたところで、絶対にうまくいかない。
超現実的で、納得感あるなーという感想でした。ニッコロ・マキャヴェッリって、シンプルな人だったんでしょうね。
活かせそうなところはどんどん現在のビジネスに活かしていきたいと思います。
君主論 ビジネスで役立つ人心掌握の智恵150 (East Press Business)
では、また!