人事や人材開発分野の研究で有名な東大准教授の中原淳さんのブログに、はっとさせられることが書いてあったのでメモ。「事例くれくれ君」にならないように自らを振り返らなきゃと思いました。
「事例くれくれ君」とは
東大准教授の中原淳さんがブログで言っていた「事例くれくれ君」とは、
「過去の他人の実践事例をやたらと知りたがるのだけれども、どの実践事例を見ても聴いても不満を述べるだけで、前に進もうとしない人々」
ということでした。
人事・人材開発の世界に多く生息しているようで、全世界で300万人くらいなんだとか。←この数字の根拠は不明でしたけども……。
事例が、成功事例だと「その会社だからできたんだよ」と言い、失敗事例だと「担当の脇が甘かっただけだね」と言う人だそうです。
ちなみに、「過去の先行事例を参考にする人」は事例くれくれ君ではなく、先行事例を自社に応用し何かを実行していくことはすばらしいとおっしゃっていました。
参考:NAKAHARA-LAB.NET 東京大学 中原淳研究室 – 大人の学びを科学する: 「事例くれくれ君」にご用心!?:先行事例をいくら聴いても、前に進まない「残念な思考」!?
事例くれくれ君の問題点
何かの人事施策を新しくつくるとき、もしくは、大きく改変するときなどは、(会社の規模にもよると思いますが)大きなプロジェクトになることが多いので、「他社の事例は何かないですか?」と聞きたくなってしまうものです。
僕もそうでした。
最近、人材開発施策や組織開発の方針や手段を考える必要に迫られる機会が多くあり(現在もまっただ中ですが)、人事コンサルの方や人事仲間に、事例を沢山教えてもらっていました。
そんな中でまさに、「これはうちでは無理そうだな。○○社だからできたんだよなー」とか考えちゃってしまっていたこともあったので、まさに事例くれくれ君候補です。猛省。。
沢山教えてもらっただけに、変に知識欲求だけ満たされて、お腹いっぱいで動けなくなってしまってたのかなー。自分の強みの向学心(VIAの診断で一番上位だった)が悪い方にでちゃったのかなと考えたりしました。
事例くれくれ君の恐ろしさの一つは、自分的には満足感が変にある可能性があることかもしれないですね。
インプットするだけで満足せず、自社に合った制度や仕組みにカスタマイズしてアウトプット(実行や実施)をしていかないといけないよなと改めて思います。
事例くれくれ君の一番の問題点
あと、ふと考えててて思ったんですが、新しいことにチャレンジして成し遂げようとか、世の中にない施策や仕組みを作り出したいと考えたときには、そもそも先行事例があった時点で新しくないってことだよなーと。
本気で新しいものを創りたいときは、先行事例を求めるときの目的が逆転するなぁと思ったりしました。
現在仕事で作成中の中期計画も、2020年の未来を見据えて、先行事例はあくまでも参考にしつつ、自社の独自なものを目指しながら、ワクワクするものを創っていきたいと思います。
では、また!