クリエイティブディレクターの水野学氏の著書『センスは知識からはじまる』を読みました。「センス」ってなんだろう?という疑問は持っていたけどずっと定義化できないでいたので参考になりました。自分なりに覚えておこうと思った点をメモしてきます。こんにちは、164(@next164)です。
INDEX
水野学というクリエイティブディレクター
この本『センスは知識からはじまる』の著者は、水野学(みずのまなぶ)という人。多摩美術大学卒で、good design companyの代表取締役です。現在、慶應義塾大学特別招聘准教授もやってるそうです。
関わった仕事は、NTTドコモの「iD」、ゆるキャラの「くまモン」やオンワード樫山「23区」、ユニクロ「UT」などなど多数。
一般的には「センスがあるね〜」と言われがちな、有名クリエイティブディレクターが、「センスは特別な才能じゃないよ」的な本を出版したわけです。
いくつか学びがあったので、以下に3つほどメモしときます。ネタバレですw
「センスのよさ」とは・・・である
水野学氏は、センスを以下のように定義されてました。
「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力
センスというのは「数値化できない」 事象について発揮する能力であることや、知識をベースに世の中に最適化する能力であるという主張は、個人的に納得感がありました。
技術の時代からセンスの時代へ
ちなみに、「技術が発展する時代」がピークを迎えると、次は「センスが求められる時代」に変化するそうです。本では戦国時代と安土桃山時代やルネッサンスや「アーツ・アンド・クラフツ運動」などが例に出されていました。そして、それらは螺旋・サイクルのようにある程度の周期でめぐるものであると考えられます。
「普通」が大事である=「知識」が大事である
数字で分からないセンスをつかむためには、「普通を知ること」が大事であると書かれてありました。普通とは、いいものがわかり、悪いものがわかり、その一番真ん中がわかるということ。いろんな分野を、固定概念に縛られず、知っておくべきだそうです。
普通を知っておくこと、つまり、知識を蓄えておくことが、センスのよさを生み出す源泉になるということです。著者も「センスとは知識の集積である」と述べていました。
「ひらめき=知識と知識の組み合わせ」などはアイデア論などでよく言われることですが、過去に存在していたあらゆるものを利用して、アウトプットの方向性を決めるために知識をつかうべし、ということですね。
あと、もうひとつ好きだった言葉をメモしときます。筆者曰く「知識にもとづいて予測することが、センス」なんだそうです。なるほど。
知識を増やす3つのコツ
その重要な「知識」を増やすためには、以下の3段階のアプローチを意識すると良いそうです。
- 王道から解いていく
- 今、流行しているものを知る
- 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
王道から解いていく
「王道」は「定番」「一番いいとされている」「ロングセラー」のものと言い換えられます。王道になる過程には、数値化できない事象を最適化するプロセスが含まれていると考えられるので、つまり、王道を知ることでそのジャンルの最適化のプロセスを学べることがポイントなんです。
たしかにロングセラーの商品には、必ずその理由がありそうです。その辺りを分析し、知識として蓄えておくべきだということでしょうね。
今、流行しているものを知る
逆に、今流行っているものを知ることも大事で、一過性のものではあるけれども、王道と一緒に流行を知っておくことで、知識の幅が一気に広がっていきます。思い込みや主観にまみれた情報収集ではなく、客観情報を集めることがポイントです。
この手段としては、雑誌が良いそうです。コンビニでいいので、ネットとは違い精査・整理された情報が載っている雑誌を読むのがオススメなんだとか。
また、「流行っているもの」=「センスがよいもの」ではないことも前提として理解しておくべきだと著者は述べてます。
「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる
最後は自分なりの情報に精製するため、共通点や同じルールがないかを探してみることを推奨していました。
例えば、入りやすい店の共通点は「床が暗い色」なんだとか。これはきれいな白い床だと、靴を脱ぐ文化のある日本人は、汚れた靴で入りにくいという心理的抵抗が生まれるからだそうです。
まとめ
このように細かい手段まで、「センス」と「センスを手に入れる方法」などが書かれてある本でした。
曖昧になりがちな「センス」という言葉を改めて考えなおすヒントにしたいと思います。
では、また!