人事として超有名なサイバーエージェントの曽山哲人(取締役人事本部長)さんの最新の著書「クリエイティブ人事」を読んだのでまとめてみました。もう増刷も決まったようなので売れてますねー。人事に関わる仕事をする身としては学ぶべきことが沢山ありました。こんにちは、164(@next164)です。
INDEX
「クリエイティブ人事」という本
「クリエイティブ人事 個性を伸ばす、チームを活かす」は、2014年7月17日に発売(※Amazonでは7月17日。本には初版7月20日発行と書かれてあった)された、神戸大学の金井壽宏(かないとしひろ)教授と曽山哲人(そやまてつひと)さんの共著です。
金井教授も人事系の研究で有名な方ですので、現場とアカデミックの一流同士がタッグを組んだ本ということですね。
光文社新書なので、コンパクトで読みやすく、かつ、内容は学びが多かったです。
クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす (光文社新書)
線を引いたところからピックアップして掲載
最近の本の読み方として、気合入れて勉強のために読む本の場合は、まず読みながら大事な箇所があったらそのページの端を折り(折ったらあ犬の耳の形に似てるからドッグイヤーというらしいぞ!)、さらに覚えておきたい文章部分には赤線を引く(もしくは囲む)ということをしています。
1回読んだだけではすぐ忘れてしまうので、読み返すときに効率的にポイントだけ読み返すためにそうやっています。
そして、こうやってブログなどにアウトプットすることで、さらに学びを深め、定着させるという方法をとっています。
・・・というわけで、赤線引いた部分からピックアップしてまとめていきたいと思います!
※僕の頭の中で解釈した上での記述もあるので、100%本そのままではないところもあるのでご注意あれ。
※また、人事として真似したい、こういうやり方か!と思ったところに線を引いたりしているので、一般的なインタビュー記事などで取り上げれられている制度や考え方の説明とかはあまりまとまってないのであしからず。
機能人事と戦略人事
採用や労務などの機能を果たすだけの人事は「機能人事」で、経営にインパクトを与えるような、戦略を遂行していく人事を「戦略人事」と呼ぶ。
「戦略人事」の方がかっこいいですね。人事というカタイ部署のイメージも薄れ、チャレンジしてる感もあります。
面談のときは紙に書く
面談や会議のときなどに伝えたいことがある場合は(とくに指摘や注意など言いづらいことがある場合は)、紙に書いて持っていくとちゃんと受けとめてもらえる。
これを「ラブレター効果」と読んでるらしいです。これちゃんとやってる社会人少なそうなので、効果的だと感じました。
シンプルに、率直に言う
本人が自分の課題に気づいてない場合は、よかれと思って遠回しに伝えようとするとますます伝わりづらくなり、不信感を抱かれる原因になるから、率直に言うということを意識すべき。
変な遠慮はお互いにとってよくないですね。でも、いざとなったらなかなかムズカシそうなので、紙に書くという戦術のラブレター効果が効いてくるんでしょうねー。
AND思考
制度は正しく運用するけれども、制度からこぼれてしまう社員にも気を配る。
「2駅ルール」の曖昧さを解消するためルールを適正化させたときには、1年間の猶予期間を設けることによって、ANDを実現したと書いてありました。どっちかを諦めるのではなくどっちもやる!という思考は重要だと改めて思いました。
採用基準は「素直でいいヤツ」
「イエスマンではなく、物事をありのままにみることができ、間違えたら軌道修正できる人」「変化に対応でき、学習能力の高い人」のこと。
逆に、英語を話せることを過剰にアピールする人は注意して見るそうです。いろいろ考えぬいて、議論を重ねに重ね、シンプルな採用基準に辿り着いたんだろうなーと思います。
配属希望はできるかぎり聞き入れるそうですね。どの部門でも受け入れる体制があるからだとは思いますが、その方が本人のやる気が出るし、つらいとき踏ん張りがきくという理由はよく分かります。
むしろ、新人の受け入れを希望する事業部や子会社の責任者がプレゼンテーションをして、選んでもらえるようにがんばるらしいです。これはいいかも。
入社二年目で16%、三年目では30%がマネージャー(管理職)に昇格しているというデータは、若手登用のイメージがありますが、実績としてもスゲーなーと思います。
抜擢人事をするワケ
優秀な人材に居続けてほしいからこそ、抜擢人事を積極的に行い、自分の人生の主導権を自分で握ってもらうようにしているのです。
すばらしい。その通りだ。
マネージャーに必須の3つのスキル
「目標力」「役割力」「評価力」を持って組織の成果を出すことがマネージャーの役割。
3ヶ月に1回行う(頻度高いなー!)新任マネージャー研修では、部下への面談の仕方や労務・法務などのほか、マネージャーの役割について考えさせるようです。
「組織の成果を出すこと」がサイバーエージェントのマネージャーの役割なのですが、そのための3つのスキルが以下なんだとか。
- 「目標力」・・・チームの成果を定義し、メンバーを導く力
- 「役割力」・・・個々のメンバーの強みを見極め、成果を出すために配置する力
- 「評価力」・・・成果への進捗を確認し、軌道修正する力
シンプルで分かりやすいし、新任マネージャーたちも目指しやすいだろうなーと思います。
ミスマッチ制度の運用
「ミスマッチ制度」とは、半年に一度の査定時に「成果」と「価値観」で全社員を評価し、ミスマッチ対象としてピックアップされた中で、役員会で二度続けて「認定」を受けた社員は、異動か退職を選んでもらうという制度。
細かいオペレーションを考えて、このようなムズカシー制度を上手く運用している状況は、会社にとっても社員にとっても良いものだと思えました。制度設計時にそうとう頭使ってシミュレートしたんだろうなーと、苦労が容易に想像できます。
「人が好き」では人事はつとまらない
人事は人に裏切られることもありますし、単に「人が好き」という理由ではそれに耐えられない。いい人でもむずかしい。
全く同感です。
実践知を広める方法
人が実践知を学びたいと思うのは、体現した人を見て「こんなことができたらカッコイイ」と感じたとき。
これは金井壽宏教授の言葉ですが、米倉誠一郎氏(一橋大学イノベーション研究センター教授)も同じことをいってるそうで、あえて軽薄そうだけど、シンプルな「カッコイイ」という言葉を選んでるらしいです。多少人によって解釈がブレそうですけど、伝わりやすいのは間違いないですね。
まとめ
「クリエイティブ人事 個性を伸ばす、チームを活かす」から学んで、自分や自社に取り入れていけそうな内容が沢山ありました。
こうやって自ら考え、実践してきたアイデアや思考を書籍や勉強会などでオープンにしてくれるのは非常にありがたいです。
しっかり先駆者から学ばせていただき、最終的には自分や自社にマッチした制度などに落としていきたいと思いました。
クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす (光文社新書)
では、また!