2025年までにロボットが1億人の仕事を奪うという衝撃の記事が、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューに掲載されていました。色んな説があるこの界隈の話ですが、具体例とかもありなるほどなーと思ったのでメモしとこう。
なぜ、技術革新が人間の仕事を奪ってしまうのか。そのとき、僕達はどうするべきなのか。
「20XX年になくなる仕事」系の話
このブログでは、「2020年には「なくなる仕事」の予想が衝撃的。キャリアを考える参考に。」というエントリで、2020年には無くなっているであろう職業の話を書かきました。
また、「あと10年で消える仕事をオックスフォード大学が徹底調査。GoogleのCEOも同じこと言ってます。」では、この記事と同じく2025年くらいに世の中がどうなっていて、人間の仕事がどうなっているかという内容を書いてました。
こんな話って、僕は好きなんですが、みんな好きなんですかねー。実際上記エントリはよく読んでいただいているし、僕自身も最近アンテナが立ってるからなのか分からないですが、いろんなところでこのような話を目にしたり聞いたりします。
昔と今の「技術の進歩スピード」の進歩
歴史家のヘンリー・アダムズという人が、技術はどれくらいのスピードで進歩するのか?ということを石炭から生まれるエネルギー量を軸に調べたらしいです。
その結果、1840年から1900年の60年間では、技術進歩率は年平均7%だったそうです。
一方、現代の技術の進歩はかなり速く、ムーアの法則で有名ですが、半導体技術は50年もの間、年間40%の成長をし続けています。
これらの進歩がロボット、自動車や無人航空機などの人工知能を搭載したインテリジェント機器に搭載されていっているということです。
衝撃的なセリフだったのですが、記事にはこういった技術の進歩により人間の労働価値が下がった結果、「経済的価値のない人々」が巷にあふれるとまで言っていました。
フォックスコンの事例
前述の話が決して冗談ではないことを示す事例が、現実にすでにあるようです。
世界最大手の委託製造業者、鴻海精密工業(フォックスコン)では、現在100万人の従業員がいますが、今後100万台の作業ロボットを導入するそうです。
2015年2月にフォックスコンCEOは、3年後には組み立てラインの70%がロボット化されるだろうと発言していました。人は雇わないと言ってるようなもんですね。
セカンド・エコノミーの時代
経済学者ブライアン・アーサーの曰く、
「セカンド・エコノミー」とは、業務処理が人の手を介さずにコンピュータ間でのみ実行される、デジタル化の進んだ経済活動
だそうですが、IoT(モノのインターネット)やいろんな仮想通貨などが一気に広がりそうな予感のある現代は、このセカンド・エコノミーの時代がはじまっていることを示しているんでしょうねー。
GDPで考えると、2025年のセカンド・エコノミーの規模は、1995年のアメリカ(ファースト・エコノミーの典型)の約7.6兆ドルに匹敵するレベルになる可能性があるそうです。
つまり、一人あたりGDPに換算して考えると、1億人の労働者が必要なくなるということです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの事例
例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療機器「セダシス」は、2013年にアメリカの食品医薬品局(FDA)に承認されたので、患者の状態をモニターしながら鎮静薬を投与することができるため、麻酔専門医が必要なくなるそうです。
よく医療系のTVドラマの手術室で見た、あの麻酔医がロボットになるイメージが頭に浮かんできました……。
技術の進歩についていくために
この記事では、技術の進歩に人間が負けないためには、人材育成に巨額の投資をすべきというような主張が書いてあったりしました(最後には、それでも難しいだろう……という自暴自棄的なことも書いてありましたけど。笑)
感覚値に過ぎませんが、人間が機械と同じ土俵で戦って負けないってのは到底難しいだろうなーと思います。
個人的には、技術の進歩についていくというより、人間にしかできないことを見極め、その能力(脳力と言ってもいいのかも)を磨き、来るべき時代に備えることが大事じゃないかなと思うわけです。
人間にしかできないことってのも究極いつかは機械ができるようになり無くなってしまうのかもしれないので、機械が代わりにやるのが難しいところからフォーカスして磨いておくのが良いということかもしれません。
……じゃあそれは何なのさ!?
と言われるとこれまた難しいのですが、人間の脳はかなりスゴいコンピューターなので、今人間としてできること、できていることの中で、単純に説明できないものから考えていってみればいいのかなと思ったりしました。
人間で単純なものは、機械からすると超カンタンなことですからね。でも、人間がかなり悩みもがき答えを出すことは、機械からすると超絶難しいことなのかもしれません。まだ今は。
人材開発という仕事に携わっている今現在は、「人間の本質とは?」や「人間の成長にとってキモとなるのは何?」や「コミュニケーションやマネジメントを円滑にするには?」など、複雑で分かりにくい問いに立ち向かい続けないといけない日常があります。
この状況を恵まれてると感謝しつつ、頭は常に鍛え続けられるよう、引き続き、人間にしかできないことは何かを探し続けようと思います。
では、また!