日本企業では重要視されてこなかった組織開発の分野もこれからの多様性の時代には重要になってくるだろう・・・ということで、調べてみた組織開発(OD)についてメモ。こんにちは、164(@next164)です。
日本で組織開発が注目されてこなかった理由
日本では、人材開発、能力開発やキャリア開発など、人を中心にしたものは盛んに研究や実践が行われてきたにも関わらず、組織を対象とする組織開発(Organization Development)に関しては非常に少ないらしいです。
2010年の記事ではありますが、一橋大学大学院の守島基博教授によると、その理由は、日本では人が集まると自然に組織ができていたためとのことです。
つまり、単民族であり、文化的にも「和」を大事にする日本人は、組織をわざわざ開発しなくても、まとまってこれたということですね。
米国などでは多くの企業にある組織開発部門が、日本企業ではほとんど存在しないらしいです。
組織開発が重要な理由
組織開発とは、組織の課題に合わせて部門を分け、どう指揮命令を行うかを決めるなどの組織設計や組織デザイン(ハード面的)ではなく、その部門同士のコミュニケーションをいかに上手く行うかなど、効果的に組織デザインが機能するように仕掛けや仕組みをつくっていくこと(ソフト面的)なものだそうです。
また、人材開発も組織開発の一部と捉えられているため、米国企業などでは、OD部門がHRM部門(人材マネジメント部門)より大きな位置をしめています。
では、なぜ組織開発が重要かということですが、それは、
- 日本企業においても多様性(ダイバーシティ)の拡大
- 自律型、創造型の人材(=イノベーションを起こせる人材)の必要性
などがあるからではないかと思います。
7つの組織能力
守島教授は、開発すべき組織能力を7つに、そして、組織開発のプロセスを5段階に分類して示してくれていたのでメモメモ。
開発すべき7つの組織能力
- 働く人の元気
- 経営への信頼やコミットメント
- 人材育成・リーダーの継続的創出
- 文化・価値観の共有
- 変化への準備
- 職場の協働・協調
- 知識創造
4は、個別最適と全体最適の同時追求することも含みます。また、5はリスクテイクする力や学習能力のことです。6は、職場をコミュニティにするという意味です。
組織開発の5つのプロセス
- 組織デザイン
- 理念やビジョンの浸透
- 人材開発(特に、内省による意識づけ)
- 人と人の関係性のつくりこみ(共同体の構築)
- リーダーシップの確保
なるほど!という感じです。
ハードを固めてから(組織デザイン)、まず理念を浸透させた上で、それを軸に人材開発を実施しつつ、個々がバラバラにならないように関係性を高めながら、その中でリーダーを生み出していくということですね。
・・・書くのは簡単だけど、実際にやるのは全然簡単じゃないなぁ。笑
自分の仕事の中でも、今後は人材開発とともに、組織開発も視野の中に含めて、いろいろ考えていこうと改めて思いました。
では、また!