よくある上司部下のズレの根本原因はコレ!その3つの弊害と3つの処方箋

組織開発

「上司についていけない」「部下にやる気がない」というビジネスの世界のよくあるけれど困った状況は、ある違いが原因で起こっていることが判明しました。このことによる3つの弊害と3つの処方箋についての記事が学びになったのでメモ。こんにちは、164(@next164)です。

上司と部下のズレの根本原因とは

上司と部下がかみ合ってない組織って多いんでしょうね。「部下はやる気がない」「ゆとり世代で使えない」などと言う40〜50代の上司と、「上司の考え方についていけない」「叱咤激励がつらい」という20〜30代の部下とのギャップは、至るところに存在していそうです。

ポイントはどちらもやる気はあるのに、かみ合ってないだけというもったいなさです。

この原因が、仕事のやりがいやゴールが違うだけなのでは?と仮説を立てたあるコンサル会社のアンケート調査によって、「職業観の違い」がその原因であることがわかりました。

アンケート結果

上司層300人(40~50代の中間管理職)と、部下層300人(20~30代)を対象にアンケートは実施されました。

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「仕事に何を望みますか」という問いに対する結果ですが、明確に差がでていますね。上司世代は「自律的で自己実現を重視」なのに比べ、部下世代は「組織での存在意義や承認欲求を重視」というのがよく分かります。

出世、役職、ポジションの獲得については、上司世代と部下世代で23.7%と7.0%という開きがありますし、上司世代のTOPである「やりがいや達成感」は部下世代ではランク外です。逆に、部下世代の47.0%を占めTOPである「顧客からの評価や感謝」は上司世代では10.3%しかありません。

「そんなんじゃ出世できないぞ!」と上司が鼓舞しても、部下には響かないってことがよく分かりますね・・・。部下は「承認」されたいんです。

このように「職業観の違い」が、上司と部下がかみ合ってない原因だということがわかったわけです。

これはどちらが正しいではないと思っていて、そういう時代だと考えるた方が良さそうだな、と。なぜなら、育ってきた環境も、会社から求められることも時代とともに変わってきているからです。

例えば、成熟した社会においては、チャレンジよりも失敗をしないことを重視するため、自己実現よりも周りからの承認を重視する環境が多くなってきたということですね。

上司と部下のズレによる3つの弊害

ただ、このズレを放置していては当然さまざまな問題が出てくるわけで、3つの弊害としてまとめられていました。

コミュニケーションができなくなる

意思伝達ができなくなるのが1つ目の問題です。特に納得感が合ったのは「顧客満足」についての例でした。

顧客満足度の向上ってのはよくある方針ですが、そのバックグラウンドには、前提としてリピーターを増やしたり、単価を向上したり、自社のブランディングを高めるという、自社利益につながる方法としての戦略的な考えが必ずあると思います。

しかし、職業観の異なる部下世代は「顧客が喜ぶ」(=顧客からの評価や感謝)からと値引き要求に簡単に応じたりするケースがあるそうです。

・・・なるほどーと思いました。安易な値引きは長期的には顧客との関係が崩れる原因にもなったりするので(利益が出ず撤退を余儀なくされるケースなど)、本質的でない場合も多いと思いますが、それが職業観のズレを放置したままだと、部下世代には正しく伝わらない可能性があるということですね。

チャレンジをしなくなる

上司がいくら言っても部下に響かなければコミュニケーションを取らなくなりますし、部下も悩み相談した際の回答が上司の職業観に紐づくものであれば納得感がないので、積極的に仕事に臨まなくなってしまいます。

お互いの関係が悪くなれば、仕事の成果も上がりにくくなるというのは当然ですね。必修!ダニエル・キム(MIT教授)の「組織の成功循環モデル」まとめでも書いたように「関係の質」が大事なわけなので。

人材が育たなくなる

これも大きな問題です。「役職をつかむために頑張ろうぜ!」と言っても響かないので育成を諦めちゃっている上司と、自己実現に向けてがむしゃらに頑張った上司は全くロールモデルにならない部下がいる、という構図です。人が育たなさそうな感じがぷんぷんしますね。笑

これら3つの弊害が起きている組織には、閉塞感が漂い、病気や退職が増えることがわかっているそうです。根本治療が必要な状況が生まれているということですね。

解決のための3つの処方箋

上司はこの職業観によるズレから発生する所々の問題をどう打破していくべきでしょうか。

まずアプローチとして、上司が部下の職業観に合わせるか、部下を上司の職業観に合わせるか、です。これは後者を求めがちですが、前者をやった後に後者を狙う方が結局早く上手くいくようです。

チャンスは小さく、数多く

部下への期待を、与える仕事の大きさではなく、多さで示そうということ。同時並行でもいいので、小さな仕事を与える方が良いそうです。

スモールステップ(ゴール)の設定

ただ、ときには大きい仕事も部下の成長には必要なので、その際は噛み砕いたスモールステップを作ってあげることが大事です。大きくて時間がかかるプロジェクトなどはゴール設定を小さく区切ることでモチベーションの維持もできるようになります。

具体的なアドバイス

「自分で考えてやってみろ」という放置・自律型のマネジメントは部下世代にはマッチせず、上司に突き放されたと感じさせる恐れもあるそうです。なので、最初は一緒にやってみせるなど、具体的なイメージが付くようにアドバイス・指導することが大事です。

このように3つの処方箋を使いながら、部下が仕事になれてきたら、徐々に上司の職業観に合わせていく段階になってきます。

頭ごなしに伝えるだけではダメなので、成功体験とセットで職業観を引き上げていくことが重要なんだとか。その際には「なぜその仕事をするのかの理由の明確化」と「グッド/バッドストーリーの提示」を意識すると良いそうです。

まとめ

今の会社では、年齢層の幅がまだ狭いので大丈夫だとは思ってますが、こういうのって当事者はお互い気づかないものなんだと思います。それがズレていく原因だろうなとも思うわけです。

なので、両方の職業観を理解・参考にしつつ、この3つの弊害が起こっていないかを改めてチェックしてみようと思います。

そして、もし少しでも感じられたら、職業観のズレを意識しながら、3つの処方箋を使っていかなければ!と思います。

では、また!

参考:「誰かに認められたい」が部下のモチベーション:PRESIDENT Online – プレジデント

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