タレントマネジメントという概念が流行っています。人事界隈で最近だと一番HOTな話題の一つで、今までのやり方から変化してきた、現在の時代や市場に合った、最新の人材マネジメントの考え方です。
今までずっとまともには学べていなかったので、ちょっと整理してみようと思って調べてみたのでメモ。こんにちは、164(@next164)です。
タレントマネジメントの定義
まず、タレントマネジメントの定義ですが、世界の有力な人事系コミュニティが定めてたりはします、、、が、正直ややこしい。よく分からん。笑
例えば、世界最大の人材マネジメント協会「SHRM」(会員は世界25.5万人)では、
「人材の採用、選抜、適材適所、リーダーの育成・開発、評価、報酬、後継者養成等の人材マネジメントのプロセス改善を通して、職場の生産性を改善し、必要なスキルを持つ人材の意欲を増進させ、現在と将来のビジネスニーズの違いを見極め、優秀人材の維持、能力開発を統合的、戦略的に進める取り組みやシステムデザインを導入すること。」
と言われていますし、また、米国人材開発協会「ASTD」(会員7万人の人材開発のプロ集団)では、
「仕事の目標達成に必要な人材の採用、人材開発、適材適所を実現し、仕事をスムースに進めるため、職場風土(Culture)、仕事に対する真剣な取り組(Engagement)、能力開発(Capability)、人材補強/支援部隊の強化(Capacity)の4つの視点から、実現しようとする短期的/長期的、ホリスティックな取り組みである。」
と定義されています。
包括的で総合的な考え方であるがゆえに、定義がかなりふわーーーーっと、もしくは、いろいろ詰め込み過ぎて「で?何?」と聞きたくなるような、よく分からない感じになってしまっている気がします。
ちょっとズレますが、こんな言われ方もしています。
- 既存の人材マネジメント施策にタレントマネジメントの要素を練り込んでいくこと
- 会社と個人の両方の目線からタレントを活用すること
- 人材のタレントに着眼した、比較的新しい人材マネジメントの概念
- 特別な仕掛けや仕組み、また新しいシステムを導入することではない
タレントというのは個人の才能のことなので、要は、組織力というぼやっとした集団の強化を、会社目線で考えるばかりではなく、もっと個にフォーカスして個々のタレントを生かしていく人材マネジメント(人材開発、キャリア開発や風土づくりなど)をするとよいのだ!
ということじゃないかと個人的には認識しています。
タレントマネジメントが生まれた背景
これは学びになったのですが、時代によって人材マネジメントの形が変わってきているということでした。
まず、高度経済成長期に怠けを防ぐための「個人管理(PM:パーソナルマネジメント)」が始まったそうです。
そして、人を資源としてマネジメントしようということで、人材マネジメント(HRM:ヒューマンリソースマネジメント)の時代に変わっていきました。
最近だと、人は資源ではなく、資産であるという考え方から、HC(ヒューマンキャピタル)と捉える考え方が主流になってきています。
タレントマネジメントは、そんな今までの変遷や、昨今の経済低成長、労働市場の変化など時代背景の中で、「仕事が先、人が後」と言う思考順序ではなく、「人が先、仕事が後」という思想で生まれてきたと考えられているそうです。
タレントマネジメントでは何をタレントとするのか
学びがあったのでメモしておく次の内容は、何をタレントと設定すべきかということです。タレントマネジメントを導入し、タレントを管理・把握していこうとするには必ず考えなければいけないことなので参考になりました。
タレントの把握のためには「ビジネスで必要とされる能力」を把握すべし!ということで、
- 資質・適性・・・どちらかというと先天的なもの
- 価値観・考え方・・・幼少期からの生活を通して形作られてきた考え方
- 行動特性・・・コンピテンシー(ある目的のためにどういう行動傾向をとるのか)
- スキル・・・ヒューマンスキル・テクニカルスキル・コンセプチュアルスキル
- 知識・経験・・・職歴や異動履歴
の5つを押さえておきましょうということでした。
参考:タレントマネジメントにおいて何をタレントとして管理するのか
・・・とまぁ、まとまりなくまとめてきましたが、今回のエントリで参考にさせていただいた大野順也さんの著書が最近発売されたみたいです。
タレントマネジメントのことが整理されているはずなので、「タレントマネジメントとは何だ!?と思ってポイントを整理した【第2弾】」はこの本を読んでから自分なりにまとめてみようと思います。
タレントマネジメント概論—人と組織を活性化させる人材マネジメント施策
記事を読んでて思ったバランスの話
おまけですが、他の記事や本などでは「人材開発」ばかりやってきた日本企業は、個ではなくその集合である組織にフォーカスして、個の関係性を育てる「組織開発」が必要だと言ってました。
これはこれで必要なんでしょうけど、前述のタレントマネジメントの考え方とは逆ですよね。組織力強化ではなく、個にフォーカスしたタレントマネジメントが必要なんだ!という話でしたので。
まぁ、でも、結局どっちも必要ってことでしょうね。バランス感覚を持って取り組もうということですなー。
両方ちゃんと考えて人事施策に落としこんでいき、周りの人と組織から活性化させていきたいと思います。
では、また!