スキルの習得に10,000時間は必要ない!たった20時間でOKな理由は・・・

人材開発

何かのスキルを新たに学習・習得しようとすると1万時間が必要であるという説が有名ですが、実はこれ、誤解だったそうです。作家・ジョシュ・カウフマン氏の主張によると、実は20時間で良いらしいです。なんということだッ!こんにちは、164(@next164)です。

「1万時間の法則」とは何か

新たなスキルを習得するために必要な時間は1万時間である!という法則のことです。有名な法則でいろんな書籍やWebサイトでも言われたりしています。ほんとによく聞きますし、目にしますね、この法則。

2030年の未来で生き残るためのヒント。脱中心化・希少化・複線化でも書いたように、1万時間というのはフルタイムで仕事して5〜6年かかる計算ですので、結構長いです。したがって、何を習得するか選択をちゃんとしないといけないという話になってくるわけです。

しかし、この「1万時間の法則」は誤解だった!というのが今回の話。

僕はこれを知って非常にワクワクしました。

作家のジョシュ・カウフマン氏は、いろんなことを学びたいけどそんな時間はないので、1万時間よりもっと高速に学べる方法はないのかという問いを持ち、自身の経験と重ねて持論を展開した人です。

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↑のカウフマン氏は「1万時間も必要ないぜ!20時間でいいんだぜ!」と言ってるわけです。

The first 20 hours — how to learn anything

「The first 20 hours — how to learn anything」というカウフマン氏の著書およびTEDの講演で言ってることをまとめてみました。

結論を先に言うと、以下のとおりです。

「まあまあ良い」レベルまでなら20時間で到達できる

著書の紹介ページ:The First 20 Hours – Josh Kaufman – How to Learn Anything FAST(未翻訳)

「1万時間の法則」が広まった理由

そもそも1万時間の法則がなぜ世の中にこれほど広まっているかですが、そこに実は誤解のもとがあるそうです。

1万時間の法則の考案者は、フロリダ州立大学のエリクソン博士なんですが、これはプロのスポーツ選手やチェスの名人などの競争の激しい分野の、かつ、成績優秀者ばかりを調査して導かれたものらしいです。

それをマルコム・グラッドウェルという作家が書いた『天才!成功する人々の法則』(日本では勝間和代氏が翻訳)という本がベストセラーになった際に、そこに取り上げられていた「1万時間の法則」が本来の意味が薄まった状態で伝わったのが原因じゃないかとカウフマン氏は言っています。

つまり、「超競争的な分野において」という前提条件が薄まり、十分に練習を積めば、ものすごく上達する、その分野でトップになれる、という部分が伝わっていったために誤解が生まれた、と。

「超競争的な分野のトップになるために1万時間かかる」

が、

「何かを習得するのに1万時間かかる」

に変わっていってしまったということです。

したがって、「何かを習得するためには実は1万時間も必要ではない!」と主張できるわけですね。

なぜ20時間で良いのか

これについてはカウフマン氏の体験によるものと、一般的な「学習曲線」の話から主張していました。

カウフマン氏は、ヨガ、プログラミング、タッチタイピング、囲碁、ウクレレ、ウインドサーフィン等のスキルを20時間で習得したことがあるようです。TEDではウクレレの話をしていて、その場で「今ちょうど20時間が経ちました」と言いながら演奏もしていました。

また、これは納得感が高かったのですが、何かを習得していくこと=学習していくことは、よくある学習曲線を描くプロセスがあります。

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(縦軸が習熟度、横軸が練習時間です)

カウフマン氏曰く、何らかのスキル・分野において、何もできない全くの素人の状態から、ある程度できるようになるまで(グラフ上の赤い点線まで)は、経験値上も、大体20時間くらいなんだそうです。

確かに、7割くらいまではある程度すぐ到達できるけど、それ以上の10割のトップレベルまで習熟度を突き詰めていこうと思うと、なかなか上達が見えないけど努力し続けなければいけない時間が長くなりそうなことは、なんとなくですけど分かります。

また、20時間だと、1日約45分を約1ヶ月間続ければOKなレベルなので、1万時間の法則と比べると、はるかに何でもできそうな気がしますね。笑

高速スキル習得の手法

カウフマン氏は、20時間での高速スキル習得を行うためのいくつかのコツを述べていました。著書では10個くらいあるそうですが、TEDでは4つを紹介していました。

  1. スキルを分解すること
  2. 自己修正ができるくらいまで学習すること
  3. 練習の妨げとなるものを排除すること
  4. 最低でも20時間は練習すること

自分のやりたいことを実現するためのスキルを見極めるために細かく分類し、狙いを定め、3〜5つのリソースを手に入れて、それを元に練習しながら自分で間違いに気づき修正できるまで学ぶのが大事だということです。

そして、これは僕はなかなか難しいですが(笑)、テレビやインターネットなどの障害となるものを取り除く努力をした上で、まずは頑張ってみて、「とても下手くそで、それを自分でも自覚している状態=フラストレーションの壁」を越えましょう!ということでした。

まとめ

「1万時間の法則」というある意味常識を覆すこの考え方は非常に学びになりました。僕も最近新しいプロジェクトで新たなスキルを習得する必要があったり、個人的に身につけたい別のスキルもあったりするので、この「高速スキル習得の法則」を意識しながら、まずは20時間集中してやってみようと思います。

※TEDの動画はこちら。日本語字幕は残念ながらなかったです。

参考:「一人前になるには1万時間必要」は誤りだった! たった20時間で新たなスキルを身につけられる4つのコツ(書き起こし)

では、また!

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