最近『イシューからはじめよ』という2010年のベストセラー本を読み返しました。仕事でいろいろやることがある中で、もっとイシューに集中してバリューのある仕事に集中したいなぁという課題感があるから、こういう本を求めているのかもしれません。
「毎日忙しい人、死ぬとき後悔したくない人は必読です!3回読了した『エッセンシャル思考』まとめ」で書いた『エッセンシャル思考』を読み返したくなったのも同じ理由だと思います。
イシューからはじめよ
『イシューからはじめよ』は2010年に発行され12万部以上売れているベストセラー本です。
著者はマッキンゼーのコンサルタントであり、イェール大学の脳科学の研究者であり、ヤフーでチーフ・ストラテジー・オフィサー(CSO)という経歴をもつ、安宅和人(あたかかずと)さんです。
コンサルタント、研究者、マーケター、プランナー…… 生み出す変化で稼ぐ、プロフェッショナルのための思考術 「脳科学×マッキンゼー×ヤフー」 トリプルキャリアが生み出した究極の問題設定&解決法
というAmazonの説明文にもあるように、問題設定&解決法の考え方・ノウハウとしてベースにすべき良本だと思っています。
覚えておこうと思った内容のメモ
今回読み直してみて、改めてこれは覚えておこうと思ったポイントをメモしておきます。
バリューのある仕事
「プロフェッショナルにとって、バリューのある仕事とは何か?」という問いに対する回答を、自分なりにどうもっているかということが大事です。
安宅和人さんとしては、バリューの本質は2つの軸で考えられるとのことでした。それが、「イシュー度」と「解の質」の2つ。
つまり、イシュー度が高く、かつ、解の質も高い仕事が「バリューのある仕事」というわけです。
イシュー度とは、自分のおかれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さであり、解の質とは、そのイシューに対してどこまで明確に答えを出せているかの度合いのことです。
犬の道は避けるべし
まずは明確にバリューのある仕事とは何かを決めることが大事ですが、そこを目指す際に一番気をつけるべきだなと思ったのは、「犬の道」にならないということです。
犬の道とは、一心不乱に大量の仕事をして、解の質を高めてから、バリューを高めよう(イシュー度を上げていこう)とするやり方のことです。
質の低いアウトプットを繰り返しても、バリューのある仕事にはたどりつかないそうです。まずはイシューを見極め、そのイシューの解の質を高める、という順番が大事なんだと。
「より少なく、しかしより良く」というエッセンシャル思考とも近いなと感じました。
参考:毎日忙しい人、死ぬとき後悔したくない人は必読です!3回読了した『エッセンシャル思考』まとめ
この考え方は、とにかく常に忘れず意識しておきたいと思っています。
分析と、安全・記憶と理解
イシュー発見後の解決策を考える中で、分析というフェーズにおけるポイントとしていくつか「なるほど!」としっくりきた内容がありました。
まず、「分析」とは何か?という問いについて、安宅和人さんは「分析とは比較、すなわち比べること」という定義をしていました。
一般的には「分けること」とか「数字で表現すること」とか言われるそうですが、そうではないということです。上記の2つの先を想定した、鋭い定義だと個人的に感じます。
そのような定義をふまえ、分析の際のポイントを沢山書いてくれていたのですが、新たな学びになったことをメモしておきます。
脳は不連続な差しか認知できない
脳は異質な差分を強調して情報処理するように進化してきているため、分析に対比(比較)が必要となる。
理解するとは情報をつなぐこと
脳は2つ以上の意味が重なりつながったときを「理解」と捉えるそうなので、既知の情報と繋がらない情報を伝え続けても、理解には至らないということが言われていました。
なかなか理解が遅い部下とかがいたりしますが、それはこの観点から言うと、既知の情報とつなげられるような伝え方ができてないからなのかなーと考えてみたりしました。
情報をつなぎ続けることが記憶に変わる
「理解すること=2つ以上の情報がつながること」でしたが、記憶というのは、繰り返し伝わればいいだけではなく、理解できる情報として繰り返されるかが大事だということに気づきました。
何度言っても忘れてる人がいるとすれば、「理解」という形で伝わっているかを確認したらよいのかなと思います。
こんな人にオススメ
犬の道を全力でダッシュしている人って多いんじゃないかと思います。
ただ、その目的は、バリューのある仕事をすることだと思うので、まず、イシュー度を高め、解の質の高い仕事をして、成果につなげていきたいと強く思います。
仕事で成果を出したい人、ワークライフバランスも含め人生の質を向上させたい人、仕事がマルチタスクすぎて全部が中途半端になってしまっていると感じている人、問題発見・解決スキルを身につけていきたい人、などはぜひ読んでみたら学びがある本だと思いました。
特に前半のイシューが重要だという部分と、その見極め方の部分が秀逸だと思っています。僕も、またいつか、読み返そうっと。
では、また!