MOOCの課題をまとめてみました。ひとつは収益化(マネタイズ)の方法をどうするかということ。ふたつめは増加するMOOCの中でどう差別化するのかということ。みっつめは人・コンテンツ両軸でどうリアルな場との融合化をすすめていくかということ。自分なりにまとめてみました。こんにちは、164(@next164)です。
参考:eラーニング(オンライン教育)の未来!MOOCって何?
1.「収益化」について
ひとつめの課題は、収益化です。
MOOCは基本無料で、良質なコンテンツ(大学の授業など)を提供するものですが、そのコンテンツ制作にはやはり費用がかかっているので、資金調達ができない限りは、何らかの収益方法を得なければ無料でやり続けることはできないわけです。
MOOCの一つカーン・アカデミーも、創業者サルマン・カーンさんの貯金を切り崩して運営してたらしいですからね。
例えば、Courseraは修了証明書の発行を有料にして収益を得ていたり、Udacityは有料コースを作ったりしています。専属コーチからサポートを受けながら授業を進められる「FULL COURSES」というものです。
MOOCによって方針があるようなので、非営利で貫くedXなどもあります。日本発のMOOCであるJMOOCはどっちの方針で運営していくんだろうなーと思ったりしています。
参考:日本のEdTechの未来をJMOOCは示せるのかい?と思ったデータ
2.「差別化」について
ふたつめの課題は、差別化です。
様々なMOOCが生まれてきているので(特にアメリカでは)、他のMOOCと何が違ってどういう特徴を持っているのかということが、今後ますます大事になってくるというわけです。どういう付加価値をつけるかと言い換えてもいいかもしれません。
例えば、高スキル層を取り込むためにedXでは俳優のマット・デイモンを講師担ってもらったり、Courseraはプロフェッショナルな人材向けのハイレベルな学習プログラムを設計したりしています。
JMOOCも東京大学の大学総合教育研究センターと連携して「インタラクティブティーチング」講座を公開してみたりと、差別化の模索を始めているように思います。
3.「融合化」について
みっつめの課題は、融合化です。
融合化というのはリアルの場(人・コンテンツ含む)との融合という意味です。つまり、今までの対面教育の世界との融合が重要になってくるというわけです。
大学の教授などの中には、MOOCに対して不信感を感じている方々もいるようです。この主な理由は、MOOCと契約すると他大学での教鞭をとれなくなるというルールがあったりするからみたいですね。
しかし、そのような理由だけでなく、教育を変革していくMOOCに対して反感を覚えている教育関係者やその他の方々もたくさんいるんじゃないかと思うわけです。
したがって、どうWeb上での教育とリアルな教育を、良いとこ取りしてミックスしていくかを考えることが大事なのではないかと思います。
反転学習もその一つだと思いますが、もっともっと深く、Web学習とリアル学習それぞれの本質的なメリット・デメリットを分析し、組み合わせる必要があると思いますねー。
まとめ
上記3つの課題を解決するには、もっともっとMOOCやそれを含めたWeb上での教育自体についての研究を深め、それぞれのMOOCが独自の進化をしていけばよいのかな、と思います。それぞれが差別化されていて、学ぶ機会が幅広くあることが、学習者にとっては良い世界ですからね。
ちなみに収益化の部分でいくと、MOOCで学んだ優秀な人材を最終的には企業などに人材紹介してマネタイズしているという話も聞いたことがあります。今後ますます色んなMOOCの発展がありそうですね。楽しみだ。
では、また!