東大の中原淳教授らが講師となって「大学教員を育てる」プログラム(インタラクティブティーチング)が日本発のMOOCサイトである「gacco」で公開されるみたいです。教員を目指す人だけでなく、企業で「教える」ことに関わる人も学べるようなので興味津々。こんにちは、164(@next164)です。
gaccoで公開される「インタラクティブティーチング」講座
4月からスタートする日本発のMOOC(JMOOC)のサービスである「gacco」ですが、今回、大学教員を育てるプログラムの公開が決まったようです。
その名も「インタラクティブティーチング」講座。
これは東京大学大学総合教育研究センターが開発したプログラムであり、学生が主体的に学ぶための方法(授業を双方向にするための知識や技法など)を教えるプログラムのようです。
東京大学の准教授二人がメインで担当しますが、授業の中では他の教授陣へのインタビューセッションなどもあるみたいですね。
この「インタラクティブティーチング」講座の特徴だと思った点をまとめておきます。
オンラインとオフライン(対面)のブレンド学習
この「インタラクティブティーチング」では、MOOC(gacco)上で行うオンライン講座と、対面で行う対面集中講座(オフライン講座)の二本立てで行います。
オンライン講座
gaccoに公開されるオンライン講座は、2014年11月から開催予定です。8週間のプログラムで、1週間で90分(10分×9本)の動画を視聴して学びます(総学習時間は16時間)。授業では学習理論、 アクティブ・ラーニングの手法、授業デザインおよびシラバスの設計、評価などがテーマとして取り上げられる予定です。
このオンライン講座は、教員を目指す大学院生だけでなく、企業の教育担当者や一般の教員も受講できるみたいですね。掲示板で他の受講者との議論もできるので面白そうです。
対面集中講座(オフライン講座)
一方、オフライン講座に関しては、教員を目指す大学院生のみが受講できるのですが、2015年1月から開催予定です。3日間の対面での研修(総学習時間18時間、東京開催)で、オンラインで学んだことをベースにディスカッションやグループワークで学びを深める内容になっているそうです。
オンライン講座の受講生の中で、選抜された20名が対象となるようです。半期で20名なので、年間だと40名が受講できる講座なんですね。修了証もちゃんと発行されるらしいですよ(gacco認定のものですけど)。
反転学習(フリップドラーニング)とは
また、もう一つの特徴としては、反転学習(反転授業、反転教育とも言ったりします)の試みがあります。
オンラインとオフラインが二本立てで設定されており、かつ、事前にオンライン講座で予習をして、オフラインの対面集中講座でよりその学びを深めるというやり方を反転学習と言いますが、海外では学習効果が高まるという事例も出てきつつある手法なんです。
「インタラクティブティーチング講座」が生まれた背景
もともとこの「インタラクティブティーチング」講座は、前述のとおり、東京大学の東京大学大学総合教育研究センターが開発したプログラムですが、なぜ開発されたかというと、文部科学省からの号令で各大学が取り組んでいるファカルティ・ディベロップメント(FD)の取り組みのひとつのようです。
ファカルティ・ディベロップメント(FD)とは、「大学教員の教育能力を高めるための実践的方法」のことであり、大学の授業改革のための組織的な取り組み方法を指す。
東京大学フューチャーファカルティプログラム(東大大学院生の教育力を強化するプログラム)という東京大学独自のFDの取り組みから生まれたプログラムが「インタラクティブティーチング」ということですね。
確かに、日本の大学の教育力向上は、今後の世界で日本の力を伸ばしていくためにも必要なことだと思います。
企業の人材育成を担う者のひとりとして、これはぜひ受講しようと思います。うん、そうしよう。
では、また!