サイバーエージェントとサイボウズから学ぶ5つの「人が育つ仕組み」

人材開発

一橋大学大学院の守島基博教授が「人が育つ仕組み」についてPRESIDENT Onlineに寄稿されていたのでメモ。サイバーエージェントとサイボウズという2つの成長を続けるIT企業の制度や取り組みを取り上げながら、人材の育成や活用(人材マネジメント)について自身の考察をまとめておられました。こんにちは、164(@next164)です。

サイバーエージェントの取り組み

元インターネット広告代理店で(今もやってるけどw)、今はAmebaを始めとする様々なWebサービスを中心に事業展開するサイバーエージェントでは、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンのもと、事業面でも、人材マネジメント面でも、他社にない面白い仕組みをいくつも運用してます。

人材マネジメントの基本方針

サイバーエージェントの取締役人事本部長の曽山哲人氏によると、経営理念やミッションステートメントから導き出された人事戦略は「挑戦と安心はセット」という考え方のもとに、様々な制度や取り組みを生み出しているそうです。

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挑戦の制度

挑戦の側の制度で言うと、有名なのは、頻繁で過激な人事異動ですねー。1年間の異動件数はなんと4500件!社員数は約1500人なので、ひとりが3回異動している計算になります・・・多いですねw。さらには、役員でさえ定期的に入れ替える制度まであります。

また、新卒社長(新卒入社の若手をグループ会社の社長や役員にする)もすでに数十名いるそうですが、これもすごい取り組みだと思います。会社としては大きなリスクをとるわけですからね。でも、挑戦による社員の成長を期待して、覚悟を持って実施しているのだと思います。

安心の制度

挑戦できる制度がたくさんある一方で、安心の制度も整っているのが、サイバーエージェントの人事がやり手な理由かなと思うわけです。例えば、「毎年・休んでファイブ(有休とは別に5日間の特別休暇付与)」「どこでもルール(既未婚、持ち家・借家関係なく6年目以上の社員に毎月5万円の家賃補助)」などがあります。

サイボウズの取り組み

次にグループウェアのサービス「サイボウズ」を開発・販売しているサイボウズの取り組みについてです。

サイボウズは、下記のような独自の雇用責任の考え方を持っていて、その価値観によって、他社とは異なる特徴的な施策を生み出しているようです。

「世の中はどんどん変化し、会社もどんな状態になっていくのかわからない」、だから「企業としては(中略)お給料を渡し続けるだけではなく、違う会社でも働けるようにするのも雇用の守り方」だと考えている。
(サイボウズの山田理副社長のインタビューより)

例えば、副業OKとか(←これは知ったときマジでびっくりしました。すごい覚悟だなーって)、自分の成長のために会社を休める育自分休暇制度とか、充実した独立支援制度とか。

その他の会社の取り組み

その他の会社でもいろいろあって、ワークスアプリケーションズの採用インターンや選抜育成プログラム、面白法人カヤックの旅する会社説明会やサイコロ給など、他社にはない創造的な人材マネジメントの取り組みをしてたりします。

Great Place To Work

ちなみに、これらの人材マネジメントに特徴のある会社のほとんどは、企業の「働きがい」を調査する世界的な企業Great Place To Work(R)Institute Japanの「Great Place To Work」という調査のランキングが、総じて高いです。

例えば2014年の結果で言うと、ワークスアプリケーションズ(2位)、サイバーエージェント(4位)、サイボウズ(12位)などです。その他の上位は日本マイクロソフトやグーグルなどが入ってます。(※従業員が1000人以上と999人までとはランキングが分かれてます)

「働きがいのある会社」調査・分析・支援|Great Place To Work Institute Japan
働きがい調査

守島基博教授の考える5つの「人が育つ仕組み」

守島教授は、この話をIT業界が成長しているからという理由に逃げないことが大事だと言っています。むしろ、成長業界だからこそ、人の流動性が激しくなるはずで、その中で成長企業になっているサイバーエージェントやサイボウズは、逆説的に人材マネジメントがちゃんとできていることが証明されるのではないか、というわけです。

守島教授が見つけた「人が育つ仕組み」は、まとめると以下の5つです。

    1. 人材の成長と企業の成長が連動する仕組み
    2. 働く人に受け入れられることを追求した施策と運用
    3. 挑戦・自立と安心の二兎狙い
    4. 経営と人材マネジメントの軸が一貫性をもち明確
    5. 他社や過去に囚われない創造的人材マネジメント

1.人材の成長と企業の成長が連動する仕組み

サイバーエージェントの新卒社長の仕組みや、サイボウズの独立支援制度など、リスクはあるものの社員の成長が事業の成長とちゃんと連動する仕組みをうまく創っているということです。

2.働く人に受け入れられることを追求した施策と運用

サイバーエージェント的に言うと、社員がシラケない、流行る制度を創らないと意味が無いという考え方を徹底していることですね。サイボウズだと、社員の働き方をかなり自由にして(ウルトラワーク)、選択肢を広げている取り組みがこの考え方を反映していると考えられます。

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3.挑戦・自立と安心の二兎狙い

サイボウズでは、働く時間・場所の制限を出来る限り撤廃するという上記のウルトラワークの考え方がこれに当たります。従業員の働き方を支援しているという側面と同時に、仕事に対する責任感を高めてもらう狙いもあるようです。

4.経営と人材マネジメントの軸が一貫性をもち明確

理念やミッションと求める人物像がブレないように明確化して、それを制度や社員に対する態度に展開していくことが大事だということです。

ポイントは、これがきちんと出来ていることにより、会社にいてほしくない人は、成果をあげられない人ではなく、価値観や仕事のスタイルが会社の求めるものと適合しない人であるという明確なマネジメントができるようになるところだと感じました。

5.他社や過去に囚われない創造的人材マネジメント

他社や慣習的なものに縛られて、ふつーの制度や取り組みに陥ってしまうこと無く、独創的なものを創りあげてきたことです。これはやはり、人材マネジメントの軸が明確で、貫いてきたからこそできたことだと思います。ふつーの制度は社員がシラケて、結局使われなくなって終わり、ということがほとんどですからね。うちの会社も反省しなければ・・・笑。

学んだことと今後やること

それぞれの会社が特徴的な人材マネジメントを行っているけれども、それぞれで違いもあることが分かります。要は、上の5つのポイントをしっかり腑に落とした上で、会社ごとに独自の創造的な人材マネジメントの仕組みを創っていくことが大切なんだな、と理解しました。

うちの会社でも、まずは経営と人材マネジメントの軸を再度見直し(今も出来てないわけではないと思うけれども)、もう少し具体的に定義した方がいいだろうなと感じました。その方が絶対みんな動きやすそうな気がする。あ、あと一つの指標としてGreat Place To Workの導入を検討してみよう。よし、やるぞー。

では、また!

参考記事:IT業界の「人が育つ仕組み」とは:PRESIDENT Online – プレジデント

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