長時間労働は日本を滅ぼすらしい!小室淑恵社長が語る5つの問題点

人材開発

株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵社長の話は分かりやすくて、かつ、主張に納得感があると思ってチェックしていますが、今回の記事も勉強になったのでメモしておきます。長時間労働と出生率の話です。

2100年には人口が4割に

2015年6月30日に出された「日本再興戦略」(=今後5年間の経済成長戦略について方針を定めたもの)によると、長時間労働是正に関することがメインと言ってもいいくらい盛り込まれているそうです。

長時間労働の是正は、この国の経済成長に大きな効果をもたらす」という文脈が盛り込まれたほどらしいですね。

なぜなら、長時間労働が出生率と大きな関係があるからです。

2100年にはこのままの出生率で進んでいくと、日本の人口は今の4割まで減ってしまい、経済破綻になってしまうと予測されています。逆に、今なんらかの対策を打って7〜8割にとどまると、世界でも安定した経済状況の国であり続けられるんだそうです。

経済もすべては人が生み出すものなので、その根本である人が少なくなったらそりゃ破綻するよなーとシンプルに思いました。

したがって、日本の成長には「働き方改革」が必要だということです。

参考:小室淑恵「3年で長時間労働をやめなければ日本は破綻する」

長時間労働の5つの問題点

小室淑恵さんのコンサルタント経験から、長時間労働によって発生する(出生率に対する)問題は以下のものがあるようです。

  1. 時間的制約のある育児・介護中の社員は勝負に勝てなくなりモチベーションが下がる
  2. 独身社員に仕事が集中して婚活の時間がなくなる
  3. 男性社員が育児に参加できず第2子がうまれない
  4. 育児中女性社員のモチベーションが下がり管理職を打診しても受けなくなる
  5. 介護中の社員が離職し、ベテランのノウハウが失われる

これらは、「期間あたり生産性」の評価で働くと起こってしまう問題なんだとか。

労働時間に制限がないと、期間あたり生産性の文化になり、自分が勝つためにノウハウを他人と共有せず、できる限りの時間を費やして他者と差をつけるという「個人戦」に走ることになるクライアントが多いそうです。

逆に、1時間あたりの生産性での評価で競い合う会社(これを時間あたり生産性という)に変わるとどうなるのか。

全員が協力して効率を上げるため、「チーム戦」になり、ノウハウが属人化せず共有されるようになったり、勤務時間に制限のある社員たちも公平に戦えることになりモチベーションが上がるそうです。

労働時間の上限を設定すればよい

具体的には、労働時間の上限を決めるべきだと提案されていました。

そうすれば以下のことが起こるそうです。

  1. 1人に多くの労働時間を割けないので、労働者の頭数を増やすために、時間的制約のある育児・介護中の社員も積極採用するようになる(結果として潜在労働力を活用でき、GDPが向上する)
  2. 独身社員の労働時間が減り、婚活・自己研さんの時間がとれる
  3. 子持ちの男性社員が育児に参加できるようになり、第2子がうまれたり、妻の就業率がアップしたりする
  4. 育児中の女性社員が業績に貪欲になり、管理職を目指すようになる
  5. 介護中の社員が離職せずに済むため、高齢社員が活躍できるようになり、社会保障費の削減が見込める
20160326

(出典:http://news.mynavi.jp/articles/2016/03/22/wlb/001.html)

少子高齢化社会の中では、いろんな状況の人が、男女ともに、多様性で勝っていく社会になるために、政府と企業の経営者や個々人の仕事の仕方まで踏み込んで変えていくべきと主張されていました。

なるほどなー、来る未来を考えると絶対そうした方がいいよなと思えますが、強烈にその変化・変革を邪魔しているのは、目の前の現実にある長時間労働(によって考える時間がないこと)なんじゃないかと思いました。笑

自社でも労働時間に関する感度はあまり高くないと感じるので、気づいた人からでも動いて、周りを巻き込み、変革を起こしていかないといけないなー!と思った今日このごろでした。

では、また!

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