チームの関係の質が測れる!組織変革ツールOcapi(オカピ)で成功循環モデルの見える化に挑戦

組織開発

Ocapi(オカピ)という成功循環モデルの計測・改善ツール(組織変革ツール)を導入してみました。まだ最終結果はでていないですが、とても期待感を感じているのでフライング気味にメモしておきます。現在、部内でアンケート実施中なので結果が楽しみ!

Ocapi(オカピ)とは

MIT(マサチューセッツ工科大学)のダニエル・キム教授が提唱している「組織の成功循環モデル」の要素のうち、「関係の質」「思考の質」「行動の質」を測れるツールです。

参照:必修!ダニエル・キム(MIT教授)の「組織の成功循環モデル」まとめ

Ocapi(オカピ)は、Organizational Change Process Indicatorの略で、その名の通り、組織変革プロセスを支援するための指標となるツールということです。

対象となるチームメンバーに、

  1. 60問のアンケートに回答してもらう
  2. 現状の「関係の質」「思考の質」「行動の質」の結果(41の属性に分かれている)を集計
  3. どう改善していくかをチームで話し合う

という3つのステップで活用するように設計されています。

特筆すべきだと感じているところは、41の属性(プロパティ)を数万のデータをもとに定義づけ・検証し、レベル1〜5に分けて整理されている点と、測るだけでなくどう改善していくかの話し合いのための「活用資料(活用資料 | Ocapi)」までセットで提供している点かと。

かつ、基本的に一人500円という激安価格設定。これは儲けようと思っていなさそう。ユーザーとしては超ありがたい。笑

管理画面から対象者のメールアドレスを入力し(入力せずに一つのURLでも実施可)、Paypalでサッと決済して実施するだけなので、測りたいときにすぐ実施できます。とても便利です!

公式サイト:Ocapi: チームを「見える化」する

3つの質の属性(プロパティ)

Ocapiで測る「関係の質」「思考の質」「行動の質」のそれぞれの属性(プロパティ)をメモしておきたいと思います。

それぞれの質が分解されていて、非常に腹落ち感もありますし、どう高めていくかというアクションを決める際などの非常に分かりやすく使いやすいと感じています。

各プロパティはレベル1〜5まであり、1から5に向けて難易度が上がるという設計です。

確かにレベル5を実現できてるチームは相当成果が出てそうな気がするなぁ。

関係の質のプロパティ

レベル1:

  • 挨拶:お互いに自然な挨拶をしている度合い
  • 声掛け:誰とでも軽い世間話をしている度合い

レベル2:

  • つながり:普段から気兼ねなく話せる人の多さ
  • 会話量:職場での会話量の多さ

レベル3:

  • ありがとう:感謝の言葉が自然に出ている度合い
  • 活気:職場の明るさやみんなの表情の柔らかさ
  • 尊重:役職や経験にかかわらず、お互いが一人の人間として関わり合っている度合い

レベル4:

  • 背景理解:相手の仕事や状況を理解し合っている度合い
  • 率直さ:自分の考えや気持ちを素直に伝え合っている度合い
  • 横断:違う仕事や他の部署の人たちとのつながりやコミュニケーションの度合い

レベル5:

  • 一体感:仕事への想いやビジョンを共有している度合い
  • 協働:既存の役割や立場を超えて協力し合っている度合い
  • 信頼:お互いを信じ、受容し合っている度合い
  • 越境:今までの習慣や活動の領域を超えて社外の人々と関わり合い、ビジョンを語り合っている度合い

以上です。

関係の質が高いかどうか、ひとつずつ自社や自部門と照らし合わせて考えてみたいですね。

思考の質のプロパティ

レベル1:

  • 関心の広がり:目の前の出来事の背景や相手の意図に関心を寄せている度合い
  • 共同思考:話し合ったり、一緒に考えている度合い

レベル2:

  • 受け止め:今の状況や、困難・不確実なことを受け入れている度合い
  • ポジティブ思考:今の状況や出来事の、良い側面や可能性に着目している度合い
  • 行動意欲:可能性に目を向け、まず行動を起こしてみようという意欲の高さ

レベル3:

  • 未来感受:未来のありたい姿や実現したい状態を日々の中でお互いに意識している度合い
  • 当事者意識:周囲や組織で起きていることを自分事として考えている度合い
  • システム思考:複雑さを受け止めて、柔軟に物事を捉えている度合い
  • 内省:自らの行いと、その背景にある考え方や動機を振り返り、見直している度合い
  • 発想:今までの仕事のやり方や枠組みを超えて、新しいアイデアや方法を生み出している度合い

レベル4:

  • 探求:自分たちが生み出したい価値を問い続けている度合い
  • 確信:いま起きていることに意味があり、未来は必ず良くなると信じている度合い
  • 互恵:自分が成長すれば組織が成長し、組織が成長すれば自分が成長すると確信している度合い
  • 視座:自分たちの影響範囲を、より広く、より長期的にイメージし、さまざまな視点から物事を考えている度合い

レベル5:

  • 意味創造:人々や社会にとって、より望ましいビジョンを生み出し、業務を通して、自分たちが存在する意味を進化させ続けている度合い

以上です。

各チームメンバーがレベル5の域まで達せば、かなり自立・自律した成果を出すチームになりそうな予感がします。

行動の質のプロパティ

レベル1:

  • 笑顔:自然な笑顔が見られる度合い
  • フレンドリー:雰囲気が明るく開放的で、居心地が良い度合い

レベル2:

  • アジャイル:アイデアが出たときの、共有や相談、取り掛かりなどが起きる速さ
  • 行動変容:今までの考え方や習慣にとらわれずに行動を変化させている度合い
  • 支援:周囲の人々を支援しようとする行動を皆が取っている度合い

レベル3:

  • 新たな習慣:今までの枠組みを超え、新たな規範や習慣づくりに挑戦している度合い
  • 主体的行動:ありたい姿に向けて、自分ができることを見つけて行動している人の多さ
  • 誠心誠意:目の前の一つひとつのことに誠実に向き合い、ひたむきに取り組んでいる人の多さ

レベル4:

  • ボランティアチーム:ありたい姿に向けて、自然と必要な人が集まり、質の高い検討や実践が自主的に行われている度合い
  • 洞察・配慮:微細なことが周囲に重要な影響を及ぼしていることを理解して、深い配慮のある行動をする人の多さ

レベル5:

  • 自己組織化:自然にできたチームによる取り組みの成果が、組織の戦略や重要な施策になっている度合い
  • 共創行動:人々の知識や経験・思考が融合し、全体が一つとなって新しいものが創造される度合い

以上です。

挨拶や声掛けが自然とできていて、関心の広がり共同思考が生まれていれば、笑顔や明るい開放的な雰囲気(という行動)につながるということですね。

そして、そこから周りの支援や自己の行動変容がアジャイル的に生まれてくるという感じでしょうか。

それぞれ3つの質が連動しているイメージもつきます。

※ちなみに成功循環モデルの4つの質のうち「結果の質」については、各組織や会社によってことなるのでプロパティ設定はしていないそうです。

使用感

現在アンケート実施中なので、まだ結果とその後の話し合いをしていませんが、現時点では、管理者側としては非常に使い心地もよく、プロパティも腹落ち感があり、満足しています。

あとは集計結果が出て、活用資料を使いながら話し合い(ダイアログ)を済ませたら、また結果や感想を書き残したいと思います。

あー、集計結果(とそこから改善策が見えたりしそうなこと)が楽しみだ!

では、また!

Ocapi公式サイト:Ocapi: チームを「見える化」する

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