ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングの代表であるロッシェル・カップさんの日本人のやる気や生産性に関する記事が学びになりました。生産性向上は大事なので、自社と比較して考えてみるためにメモしておきます。
INDEX
日本人のやる気と生産性が低い理由
「日本人はバリバリ働いて、とても頑張っている」というイメージが、日本人自身にはあるそうです。
しかし、グローバルな調査によると、日本は低いスコアを叩き出し続けているという現実があります。
例えば、従業員のモチベーション(やる気)の指標として近年注目されている「社員のエンゲージメント」に関してだと、エンゲージメントの高い社員は、世界平均だと40%にもかかわらず、日本は約半分の21%しかいないというスコアです。
社員のエンゲージメントとは、社員の企業に対する関与の度合いと、仕事に対する感情的なつながりを表現するものである。 これは「活力、献身、没頭などに特徴付けられる、仕事に関連するポジティブで充実した精神状態」と表現することができ、エンゲージメントの高い社員は「仕事にエネルギッシュで効果的なつながり」を持っている。
また、生産性を実労1時間あたりの国民総生産GDPを指標として見てみると、日本の41.1に対し、OECD平均は47.4、G7平均が56.8、アメリカが66.6です。
つまり、日本は時間を生産的・効率的に使えていないということですね……。
これらの現状に対する理由として、ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティングの代表であるロッシェル・カップさん曰く、雇用の構造、人事管理の慣行、 人材育成の方法、企業文化の4つに問題があると考えられるそうです(複雑に絡んでいるので単純ではないがとも書いてありましたが)。
参考:実はモチベーションと生産性が低い日本人――理由はこれだ
日本人の生産性を上げるための14のポイント
では、どのようにして生産性を上げることができるのかということについて考えるために、以下14個の生産性があがらない理由を知ることから初めてみようと思います。
1.結果より努力を賞賛する考え方
たしかに。
2.残業を前提にした仕事量と予算設定
3.残業代の悪影響
これは、残業代を稼ごうとしてダラダラと生産性の低い仕事をするやつがいるということです。
リクルートスタッフィングのスマートワークみたいに「早く帰るのがカッコイイ」という文化に変えないと、この2つ目や3つ目の改善は難しそうな気がします。
4.収穫逓減の法則が理解されていない
これは、一日の最初の1時間と10時間働いたあとの1時間では同じ結果は出ないということですが、長時間労働しているときの夜の生産性の低さたるやひどいものがありますからね。
自分自身もやっぱりムダな残業は控えてムダな時間を過ごさないようにしなきゃと思いました。ムダの多い人生は嫌ですもんね。
5.管理者が効率を重視しない
昔は働けば働くほど稼げた時代だから効率は重視しなくてもよかったという、こういう考えの人が育ったという話を聞いたことがあります。
6.縦社会が生む非効率
日本人は会社の上層部に気を遣いすぎるため、そういう人の依頼が横入りで「緊急」案件になることです。
7.労働市場の流動性の欠如
8.非効率な社員を解雇できない
この2つは日本の雇用環境・労働環境の問題ですね。
9.お役所化
よくある話。組織がルール、手続、書類などを次から次へと追加する傾向は日本企業は特に強いそうです。
10.IT技術の不活用
これは、データをクラウドに置いたり、オンライン会議を活用したり、効率化やコミュニケーションをサポート・強化するツールを有効に使い、生産性を高めることをあまりできていないということ。
これは激しく共感。特にアナログでウェットなビジネスモデルの会社や古い日本企業は、IT活用が遅れてる印象が強いです。
積極活用したらそういう業界こそブレイクスルーしそうな気がするのになぁ。ただ、アナログ過ぎて導入・浸透が難しいから最初にかかる仕掛け側のパワー消耗がハンパじゃないことも分かります。
11.従業員をコストとしか見ない
12.「フルタイム」以外の労働力が十分活用されていない
13.従業員の満足度は重視されない
前述の社員のエンゲージメントを高める施策を打つべきということですね。
14.「鬼上司」が許されている
パワハラ上司は社員のエンゲージメントを下げ、ストレスレベルを上げ、生産性を下げてしまいます。
人材開発において、どの企業も結局「管理者教育が重要」となってしまうのは、ちゃんと上司を育てられていないからなんでしょうね。
以上の14個のポイントが示されていましたが、経営コンサルタントとして長年日本企業をみてきた方の意見だけに、全体的に納得感がありました。
生産性については自社でもけっこう議論してきていることなので、これらの内容をシェアするところから始めようと思います。
そして、この14個のポイントにどのくらい当てはまっているのか、どう改善していくのかを考え、具体的なアクションを決めて動いていきます。
では、また!