『人事評価はもういらない』というグローバルトレンドをまとめた本を読んでまとめたこと

20170321

グローバル企業では、どんどん人事評価の変革(年次評価の廃止)が起こっているというトレンドをつかむため、キャッチーなタイトルの本を読んでみました。非常に分かりやすくまとまっており、学びがありました。忘れないようにメモしておきます。

『人事評価はもういらない』

まんまとこのタイトルに惹かれて買ってしまいました。笑

年次評価の廃止(No Ratings)のグローバルトレンドは知っていたのですが、それらの背景や日本で実施する際のポイントと課題をまとめた本です。

分かりやすく、このトレンドについて把握するために非常に役に立ちました。

元アクセンチュアで現在は企業管理職向けの研修などを提供する会社を経営する松丘啓司さんが書かれた本です。

現在の自社の人事評価制度への課題感と、No Ratingsというトレンドへの興味があって読んでみましたが、今後の変革を考えていくにあたって参考になったと感じています。

最後の章の「日本企業における課題」の内容なんかは、自社のことを言われてるのではないかと思うくらい的確でびっくりしながら読んでいました。笑

学んだこと・気づいたこと

本を読んでの新しく得た学びや気づきをメモしておきます。

これらを参考にして、今後、自分や自社でどう活かしていけるかを考えたいと思います。

年次での人事評価を廃止した企業(No Ratingsに変革した企業)

GAP、アドビシステムズ、マイクロソフト、GE、アクセンチュアなど。名だたる企業ですねぇ。

2012年ごろからこのトレンドは始まり、2015年時点ではフォーチュン500の約10%が年次評価を廃止しているそうです。

年次評価とは

年次評価 = 年度ごとに(半期でもよい)、社員に対してS・A・B・Cといった数段階で成績をつけること

また、年次評価の廃止(No Ratings)に含まれる2つの意味とは、

  1. 社員のランク付け(レーティング)をやめること
  2. 年単位での社員評価実施をやめること(パフォーマンスレビュー)

です。

目標管理制度+評価制度のプロセス=パフォーマンスマネジメント

パフォーマンスマネジメントの定義が理解できたのと同時に、別の本か何かで、目標管理制度と評価制度は一緒にしてはならないという話も聞いたことを思い出しました。

自社では完全に一致していますが、この定義を理解し、分けるなら分ける、一緒にするならするで、どうすれば運用メリットが最大化するのかを考えないといけないなと改めて思いました。

パフォーマンスマネジメント変革の全体像

  1. 年度目標設定の廃止 → タイムリーに目標設定・修正する
  2. 中間レビューの廃止 → リアルタイムでフィードバックする
  3. 年次評価の廃止 → 目標と実績の振り返りは、無しではなくリアルタイムで実施する
  4. 期末フィードバックの廃止 → 翌年給与の伝達は別途実施する

パフォーマンスマネジメントを実施する理由

仕事のアジャイル化、コラボレーションの必要性、ヒト中心経営へのシフトなどによって、従来のパフォーマンスマネジメントでは効果が出ないと分かってきたからだそうです。

数値でのランク付け(レーティング)は固定的思考(Fixed Mindset)を強化する

ということが、脳科学的にスタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授らによって証明されています。彼女らが提唱した「成長思考(Growth Mindset)」の話です。

固定的思考になると、フィードバックに耳を閉ざし、ストレッチゴールを危険と考え、学習に向けたモチベーションを低下させ、努力を避け、他人の成功を脅威に感じるようになるそうです。こりゃ最悪だわー。笑

従来のパフォーマンスマネジメントが良くないよ、という一つの証拠になっているようですね。

個人が充実感や成長実感を持てる組織のパフォーマンス

デロイトの社内サーベイでは、「職場において私には毎日ベストを尽くす仕事の機会がある」という問いに対して「強く同意する」と回答した組織は、他の組織と比べて、顧客満足度が44%、社員の離職率が50%、生産性は38%高いという結果が得られたそうです。

新たなパフォーマンスマネジメントの基本原則

  1. 年度・半期単位 → リアルタイム
  2. 過去指向 → 未来指向 ※過去の振り返りがメインではない
  3. 会社起点 → 個人起点
  4. プロセス重視 → 強み重視 ※標準化が全てではない
  5. 競争促進 → コラボレーション促進

3つ目の個人起点という観点が個人的にも非常に納得感がありました。会社目標のブレイクダウンだけでは、いくら納得性をもって上司から説明されたとしても内発的動機にはなりにくいと感じていたため、この辺の観点を以下に制度や仕組みに盛り込んでいけるかが重要だと感じています。

しかし、逆に言うと個々人への主体性発揮が求められていることでもあるため、改革の際の企画や運用後の難易度は高いなぁと。しっかり考えようと思います。

マネジャーからメンバーに投げかける質問例

具体的な質問例で、すごく良いなと感じたので、参考にして1on1の面談の際などに早速使ってみようと思います。

強み・価値観を理解するための質問

  • どのような仕事をしているときに好調と感じますか?
  • 人からよく褒められるのはどういうところですか?
  • 日常生活の中で自然に心がけているのは、どのようなことですか?
  • 仕事でストレスを感じるのはどういうときですか?

キャリアビジョンを引き出すための質問

  • 3〜5年後に、どのような活躍をしていたいですか?
  • 昇進や報酬以外に、仕事で目指しているものは何ですか?
  • これから先、どういう分野に注力していきたいと思っていますか?
  • いろいろな制約をいったん忘れると、どうなることができれば幸せだと思いますか?

強みの発揮を促す質問

  • 今よりももっと充実感を得られるようになるためのチャレンジは何でしょうか?
  • 仕事のフィールドをさらに広げるために、あなたの強みをどのように活用すればよいでしょうか?
  • お客様にさらなるインパクトを感じてもらうために、あなたの強みをどのように活用しますか?
  • あんたの強みを用いて、他のメンバーに貢献できることには何があるでしょうか?

振り返りを促す質問

  • 最近、仕事で充実感や達成感があったのはどういうときですか?
  • 自分の強みが活用できたと感じられた仕事は何ですか?
  • 最近、仕事を通じて気づいたことや学んだことはありますか?
  • その仕事をもっとうまくやるために、何が必要だと思いますか?

このような問いを立てて、メンバーの気づきを引き出し、考えを整理してあげられるような存在になりたいものです。

パフォーマンスマネジメントの現状

的確だなぁ、、、自分の会社もこうなっちゃってるなぁ、、、と思いました。

  1. 形骸化(面談軽視、全体的な評価上振れ)
  2. 業績偏重(※個人のレーティングによって業績目標の達成へと動機づけようとするシステムの問題)
  3. 複雑化

以上。

他にも沢山学びがあったので、たまに読み返したいと思います。

では、また!